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琥珀色21

ドアノブから手が離れていく。

もう一度ドアを開けようとしたが、あけることは出来なかった。

一歩下がり、ドアをしばらく見つめていたがそのまま、その場から立ち去った。




・・・・・・似た奴なんか、いらない・・・・・・欲しいのは牧野だけ。

・・・・・・・牧野が手に入るのなら、それ以外何もいらない。

・・・・・・・・手に入るのなら・・・・・・。




今降りてきたばかりの車に乗り込むと運転手が心配そうな顔を見せた。

「司様、顔色が優れませんが・・・。」

「屋敷に戻ってくれ・・・」

「・・・・・・了解しました。」


牧野が生きていたらと考え、使用人を大切に接するようになっていたがこのときだけはどうしようもなかった。


屋敷に向かう車中で、総二郎に仕事で行けないとメールをした。


メールの送信を確認し、目を閉じた。


屋敷に戻り、いつもの東の角部屋に向かう。


引き出しからあいつにやった、ペンダントを手に夜空を見上げた。

あいつに土星を見せたようなきれいな星空だった。



・・・・・・・もう一度、逢いたい。


・・・・・もう一度、声が聞きたい。

・・・・・・もう一度、もう一度でいいから・・・


あいつらの話だと、そっくりな奴がいるってことだ。

顔形が似ていても牧野じゃない。

でも、もう一度逢いたい。


そっくりでも牧野を見たいと思う気持ちが捨て切れない。



見てどうする、姿形だけだ。それでもそれにすがってしまいそうだ…




あいつらからなんて牧野に似たやつの話なんて聞きたくもない。



携帯を手に、西田を呼び出した。

「はい、西田です。」


「総と松岡の交友関係を報告しろ」

「・・・・・・西門さまの女性関係ですか?」

「違う。松岡が接触する女性中心に」

「…………わかりました」

携帯を投げ、スーツのままベッドに横になった。



・・・・もし生きていたらとありえないことを考えている。

・・・・生きていたら、なぜ家族に連絡しない、松岡にさえ

・・・・家族が黙っている?ありえない。墓まで作っている


・・・・・・せめて類には連絡するんじゃあないか。

・・・・・・・・俺に連絡…ないか。

最後は自分で自分を追い込む答えしか出てこない。


結局、生きていないとの結末に行き着く。

何回も繰り返して考えた繰り返し。



枕が湿ってきたが構わず、そのままペンダントを手に目を閉じた。


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