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琥珀色3

Side 司

たまたま、年末の忙しい時期に毎年おかしいだろう
特に去年まではNYにまで揃ってきてたし、
それに他の時とは違ってはしゃぐわけでもなく、この通夜のような雰囲気…

そう考えると西田も文句をいわず、わかっていたかのようなにスケジュールを調整している。

じっくり問い詰めようにも、仕事に追われ、思考しないで終わってしまう

最近は言ってきた話を切り出す。

「類は、2月からフランスだってな」

「さすがに情報早いね」

驚いたような顔を一瞬見せた後、まあ司のとこなら当然かと類がつぶやいた。

「当然、静とは」

そういえばこいつは静のことをずっと好きだったはず・・・。
いや、静と同じぐらい大切にしてた女がいた・・・いるはずがない。
ただ、今浮かんだのは類の横で笑っているおかっぱ。
静はおかっぱじゃなかったはず。



「いつかとは、思ってるよ。」

類の返事にホッとしている。
俺の勘違いだ。


「2月までもう会わないかな」

類が聞いてきた。

「年明けから、しばらく国外だ」

「どこ」

「中国に始まって、インド、…だっけな」

西田に見せられたスケジュールを思い浮かべながら返事をしていく。


「いつ日本?」

「早くて、4月だろうな」

4か月も日本に帰ってこれないのは、今までで一番長い。
それにしても、珍しく類が人のことを気にしてる

「じゃあ、これ」

類が何かを投げてきた。
キャッチしてみると、ペンダント?だったもの
中心のまるい形だったものがつぶれている。

持ち上げて、かざしてみる。

何かわけがわからない。

「5年」

「5年?」

「あげる」

「あげる…ってな」

相変わらず類は言葉が少ない。
少ないというより、足りない。

何かと問いただそうとしていると、

横にいた二人が口を挟んできた。

「「おい、それは」」

「そうだよ」

「どこで」

震える声で総二郎が聞いている。




「類!!」

黙っている類に珍しくあきらの声に怒りがある


「5年かかって、見つかったのはそれだけ。司、捨てたりしたら許さない。」


有無を言わせない口調、珍しく感情がこもっている。

そんな類になぜか心が騒ぐ。




「どこでだよ。他にわかったことは?」

「他には、なかったのか」

総とあきらが類に詰め寄ろうとしている。


「これだけだった。」



「本当は何も見つけたくなかった。
でも、見つけてしまった。

本当は、なにを探してたんだろう。もう戻ってこないのに。」


そう言ってソファーに寝そべって、寝始めた。


あきらも総二郎も普段よりピッチが早い。

「見せてくれないか」

あきらが申し出た。

渡そうとするべきなのに、渡したくない自分に驚いている。

気づかれたくなくて、わざと乱暴に投げつけた

二人の顔が悲しそうだ


「あいつのだな」

横から覗き込んでいた総二郎がつぶやいた。


しばらく二人は見つめていた。





「ありがと」

あきらが大切に渡してきた。

いつものように適当にそこらへんに投げておくこともできず、

ズボンのポケットではなく、胸ポケットにしまった。










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